AllegroGraphにRDFをロードする

RDF というのは Resource Description Framework の略で,セマンティックウェブにおいて底辺で表記と意味論を支えるもっとも基礎的な規約と技術です.この下には UNICODE と IRI しかなく,セマンティックウェブではいわゆるリンクトデータもオントロジーも,このRDFに基づいて構築されます.俗に言う三つ組み (triple) というのも実にこの RDF に決められたことなのです.

それではインストールされたトリプルストア AllegroGraph に,まずこの RDF をロードしてみましょう.「RDF をロードする」って意味が分からないかもしれませんが,より正確に言えば「RDF で記述された RDF の規約の内容をトリプルストアに取り込む」という意味です.

リポジトリ Basics を生成する

最初に localhost:10035 にアクセスして,登録したsuperuser名でログインします。すると次のような画面になりますから,適当な名前のリポジトリ名(ここでは Basics とした)を指定して新しいリポジトリを作成します.

すると 0 statements の空のリポジトリができますから,以後いくつかの基本的なオントロジーはここに保存するようにします.

名前空間を見る

さて上部メニューバー中の Utilities -> Namespaces を選択して,AllegroGraph に最初から組み込みで入っている名前空間をみてみましょう.

ずらっと左にprefix名,右にURLの並んだ画面が現れますが,prefix名というのは右のURLのことで例えば<http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#type>という絶対URLを rdf:type と書いてもよいということになります。

RDF ファイルのダウンロード

それでは上図のように<>なしの http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns# を選択して、コピーしておいてください.

任意のウェブブラウザでhttpアドレスにコピーしたアドレスをペーストして内容を見てみると、こんな画面が表示されます.この内容が今ここでロードしたい RDF の中身のことになります.

これをダウンロードしてローカルにおいておいてください.あるいはもし簡単にダウンロードできなかったら,ubuntu に戻って wget で任意のディレクトリにダウンロードしておいてください.ここでダウンロード時に生成されるファイル名として 22-rdf-syntax-ns.ttl としていることに注意願います.ウェブブラウザによるダウンロードでは自動r的にその名前になります.

seiji@seijiBiGPC:~$ ls
ag  agraph-7.3.1  agraph-7.3.1-linuxamd64.64.tar.gz
seiji@seijiBiGPC:~$ wget http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns# -O 22-rdf-syntax-ns.ttl
--2023-05-30 10:21:32--  http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns
Resolving www.w3.org (www.w3.org)... 104.18.23.19, 104.18.22.19, 2606:4700::6812:1613, ...
Connecting to www.w3.org (www.w3.org)|104.18.23.19|:80... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 301 Moved Permanently
Location: https://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns [following]
--2023-05-30 10:21:33--  https://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns
Connecting to www.w3.org (www.w3.org)|104.18.23.19|:443... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 6004 (5.9K) [text/turtle]
Saving to: ‘22-rdf-syntax-ns.ttl’

22-rdf-syntax-ns.ttl          100%[=================================================>]   5.86K  --.-KB/s    in 0s

2023-05-30 10:21:33 (50.7 MB/s) - ‘22-rdf-syntax-ns.ttl’ saved [6004/6004]

seiji@seijiBiGPC:~$ ls
22-rdf-syntax-ns.ttl  ag  agraph-7.3.1  agraph-7.3.1-linuxamd64.64.tar.gz
seiji@seijiBiGPC:~$

RDF をアップロードする

ダウンロードした RDF ファイルを AllegroGraph にアップロードします.リポジトリ画面に from an uploaded file/from a serverside file のメニューがありますから,ローカルファイルをアップロードしてロードする場合は from an uploaded file を,ubuntu にダウンロードした場合は from a serverside file を選択します.後者の場合には WebView 画面上でファイルのあるディレクトリまでカレントディレクトリを移動しなければなりません.下図を参考に願います.Format にはTurtleを選択しておいた方が無難でしょう.

無事にアップロードできればこのように,127 statements という表示に代わっているはずです.

そしたら Explore the Repository からいくつかメニューを選んで、中身を探検してみてください.

この図は一番表示量の少ないリポジトリ内のクラスを表示したものです.高々五つしかありませんね.しかも単なるメタ情報である owl:Ontology を除けば四つですね.それぞれのクラスの意味やプレディケート(プロパティ)の意味はこのあと説明します.